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整体とカイロプラクティックの違い
各種療法(代替医学・代替医療・代替療法・民間療法)の中の手技療法(徒手療法)として一般的も知られているのは整体とカイロプラクティックの2つです。
手技療法(徒手療法)に興味や関心がない方でも、整体とカイロプラクティックの名称(名前)くらいはほとんどの方はご存じです。
ところが、整体とカイロプラクティックとはどう違うのかという問題になると、よく分からないという人が増えてきます。
そこで、整体とカイロプラクティックについて比較検討しながら説明をしておきます。
まず、カイロプラクティック (脊椎矯正療法、Chiropractic) はアメリカのダニエル・デビッド・パーマーによって創始された代替医学です。
カイロプラクティックの基礎理論は、脊椎などの椎骨の構造的・機能的な歪み・ズレ(サブラクセーション)による神経系の機能異常が疾病(病気や症状)の原因であるとして、手技(徒手)による関節アジャストメントや脊椎マニピュレーションなどの施術によって歪み・ズレ(サブラクセーション)を矯正治療することで、神経系の機能が正常化しイネイトインテリジェンス(先天的知能、自然治癒力)が働くようになることで効果が認められるというものです。
このカイロプラクティックが確立されたのは1895年と古く、実は日本では既に大正時代に欧米伝来の手技療法として輸入されていました。
片や、日本の整体は、日本の伝統武術である柔術や骨法などの各流派に伝わる日本古来の手技療法と、伝統中国医学の手技療法の2つがありました。
そこへ、欧米からカイロプラクティックやオステオパシーなどの手技療法が伝来したというわけです。
そこで、日本の手技療法家や施術家は、欧米伝来のカイロプラクティックやオステオパシーなどの手技療法も参考にして従来の手技療法に加えて導入していったのです。
こうして、日本独自の手技療法と伝統中国医学の手技療法と欧米伝来の手技療法の3つの大きな手技療法(徒手療法)が合わさって「整体」と呼ばれるようになりました。
したがって、整体はカイロプラクティックを含む概念と考えて良いわけです。
では、実際に独立開業している整体院やカイロプラクティックオフィスの実態はどうなっているのでしょうか?
一番分かりやすいのは、カイロプラクティックオフィスなどの名称を使用した看板を掲げている施術所でしょう。
カイロプラクティックオフィスでは、施術者はカイロプラクターという名称(名前)を名乗っていることも多いかと思います。
これなら誰でもそこではカイロプラクティックを中心とした施術を行っているということが分かります。
問題は、整体院の看板をあげている施術所です。
整体自体が3つの大きな手技療法に分かれており、その整体院ではどの手技療法を中心に行っているかがよく分からないからです。
整体と名乗っていても、実は施術の内容はカイロプラクティックだったりするわけです。
一時期、カイロプラクティックというと、「ボキ」とか「バキ」とか骨(関節)を鳴らして無理矢理力で矯正するという恐いイメージがあったため、カイロプラクティックを名乗ると患者さんが来てくれない虞があることから、整体という看板をあげているところもあるといいます。
また、カイロプラクティックという言葉自体が一般の方に知られていないということから、一般人により親しみのある整体の名前を使用しているというところもあるといいます。
そのため、整体や整体院の看板を掲げているところは、看板だけではそこの施術の内容はわからないという状況にあります。
ですから、整体院へ行く場合は、あらかじめそこではどんな施術が行われているのかよく調べてから行ったほうが良いです。
調べるといっても、これまでは本を読んだり、電話で問い合わせをするということくらいしかなかったわけですが、インターネットが普及してからは整体院やカイロプラクティックオフィスでもホームページを持つようになっていて、ホームページではそこの施術の内容も説明しているので、ホームページを閲覧することで調べやすくなっています。
そういう意味では、患者にとって情報提供を受けやすい時代になっています。
患者としては、せっかく情報を得やすい環境がととのっているのですから、自分がどんな施術を受けたいのかよく情報を調べて、自分にとってより良い整体院やカイロプラクティックオフィス、整体師やカイロプラクターを選びたいものです。